歴史の話をしようよ。(1)
もうすぐ平成が、あと何日ですかね。
あと一週間で終わるわけで、時代が変わる時に
ちょっと歴史のこと書いておこうと思いました。
私、結構、歴史が好きで、子供達にも歴史を学んで欲しいんですけど、
みんなね、歴史はおもしろくないって言うんですよ。
これは、学校の教え方が絶対悪いです。
勉強の仕方が、テスト対策みたいなんですよ。
だから、
「泣くよ、うぐいす平安京」とか
「いい国つくろう鎌倉幕府」とか、
暗記して答えを書くという、そういう勉強方式ですよね。
これだと知識の詰め込みだし、
年号と歴史の出来事の羅列だけ覚えても
そんなの絶対面白くないわけです。
私が歴史好きになったのは、
一つは、これは父の影響です。
子供の頃、なぜか本だけは家にたくさんあって、
父は本を読むような人じゃなかったんですけど、
なぜか本を買うのは好きだったみたいで、
本を買うと自分が知的になった気がして、
だから歴史の本も、結構本棚にたくさんあって、
また買ってくれと言ったら、結構買ってくれました。
その中から、地図とか、年表とか見るのがなんか好きでした。
後は、 NHK の大河ドラマですよね。
あれをずっと見てますね。それで、歴史好きになりました。
小学校5年生ぐらいですかね、
初めて司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んで、
これも多分、よくわかってなかったんですけど、
こういうの読んでると知的に見えるかなって、
そういうところからスタートしたと思うんです。
何が言いたいかと言うと、年号と出来事を暗記するような勉強では
やっぱり面白くないので、広告と一緒ですね。
物語として、ストーリーとして歴史を学ぶと、
これはすごく面白いというところに、気がつくと思うんです。
NHK の大河ドラマは、何だかんだ言って今でも続いてますね。
日本人はああいう、歴史ドラマが好きな人が多いんだと思います。
私は、例えば 歴史の話をしてくれと言われれば何時間でも話す自信があるんですけど、
西暦何年に何が起こったか聞かれても、そんなのは全く覚えてなかったりします。
広告も、説明じゃなくてストーリーを語るっていう方が、読んでもらえるように、
歴史の勉強もストーリーを読むことによって、ドラマを見るように覚えると、
面白いってのが理解できると思います。
なので歴史の勉強をスタートするには、
歴史小説や歴史の映画を見ると良いというのが私の結論です。
ただし真面目に作られたやつを見るほうがいいです。
「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」あれはもう本当に、酷いです。
あんなのを見て、歴史好きになる人はいないと思うんですけど、
あれは絶対良くないです。
茨城県の人と、和歌山県の人には申し訳ないですが、
水戸黄門も、徳川吉宗も、私は大嫌いなんです。
大河ドラマがいいと思いますよ。あれは真面目に作っているので、
水戸黄門とか暴れん坊将軍が真面目じゃないのかって言われると、
作ってる人たちは真面目かもしれませんけど、
でも、ほとんど嘘ですからね。
あんなのを歴史と思われたら困るわけです。
フィクションとノンフィクションは、
間違ったりしないでしょ、
そんなの大丈夫でしょと、思うかも知れませんが、
そんなことなくて、
フィクションのドラマが「真実」と受け取られてしまう。
そういう事実は過去からありますね。
その代表格が「忠臣蔵」です。
今日はじゃ、ちょっと忠臣蔵の話をしますけど、
忠臣蔵って分かりますか?
忠臣蔵っていうのは、江戸時代に書かれたお芝居の題名なんです。
いくつかあるんですけど、代表的なのは義太夫の「仮名手本忠臣蔵」って作品です。
義太夫なので、人形浄瑠璃がもともとだったんですけど、
歌舞伎にもなって大ヒットしました。
それが忠臣蔵です。
忠臣蔵が史実と思っている日本人結構多いんですよね。
歴史的には赤穂事件と言いますけど、
赤穂事件は二つに分かれてて、
元禄14年に、播州赤穂藩のお殿様、浅野内匠頭が江戸城松の廊下で高家筆頭
吉良上野介に切りつけたというのが第一の事件。
翌、元禄15年12月15日にお取り潰しになった赤穂藩の残党(これ何て言ったらいいんすかね)の大石内蔵助を中心とした元赤穂藩の侍達47人が吉良邸に討ち入って吉良上野介を殺したと言うこれが、後半の事件。
この二つを合わせて赤穂事件って言うんですけど、
この事件、実はヘンなんです。
何がヘンかというと、浅野内匠頭はなぜ、吉良上野介に切りつけたかなんですけど、
実はよくわからないんです。
冷静に考えてみて、吉良上野介は当時60歳以上だと思います。
今の60才は若いですが、当時はもう、おじいちゃんです。
浅野内匠頭は20代の若い男です。武道もやってたでしょうから、
武家の跡取りですからね、
20代の武芸も達者な若い男が、
おじいちゃんに切りつけて仕留められないなんてことがありますか?
本気で殺す気だったとしたらですよ、
吉良上野介が受けたのは、額に一太刀と、
逃げる時に背中から切りつけられた背中の傷の2箇所、
浅野さんが本気だったら、切りつけるんじゃなくて、心臓とかめがけて突き刺したら良かったんじゃないですかね。
突き刺してグリグリグリとこねまわすとかしたら、
そうした方が、確実に仕留められますよね。なぜそうしなかったか、
実はよくわからないんですよ。
それでも当時の江戸の人々にとっては、この赤穂事件っていうのは痛快な事件だったんですよね。
いつもおかみ(幕府様)に、虐げられてたわけです。
あの「生類憐れみの令」の頃ですからね、
そんな時に、お家がお取り潰しになった赤穂の浪人たちが、幕府の役職である、
高家筆頭の吉良家に押し入って、
ご隠居様の首を取ったっていう、こんな痛快な事件はなかったってことで、
お芝居にしたかった。
そしたらですね、わかんないわけですよ。
なんで浅野さんが、吉良さんに切りつけたか、色々考えて、
じゃ、吉良さんが意地悪だったことにしよう。そうに違いない。
と、いうことで成り立ったのが、あの仮名手本忠臣蔵っていうお芝居なんです。
吉良さんが、意地悪だってことになってるんです。
じゃ、こうしよう。
勅使様が来られる時に、裃で登城したら、代紋長袴で登城しなければいけなかって、
それをわざと教えずに大恥かく寸前だったとか、
勅使様をお迎えする大広間は、畳を新品に替えておかなければいけないのに、
それを教えてくれなかったとか、
そういうようなことを誰かが考えて、そういうお芝居を作ったんですけど、
あまりにも人気が出てしまったため、
みんなそれが史実だと思うようになってしまったようです。
このお芝居は大受けしてしまったので、大河ドラマでも何回かこの事件のドラマっていうのは放送されてて、(ウケるから、笑)
うちのおばあちゃんはじめ、結構みんな好きで見てました。
正当な歴史の事件みたいな扱いになっていて、
みんなあれが事実だと思っているんですけど、ウケたお芝居の影響なんです。
だから、吉良さんかわいそうなんですよ。
吉良さんの名誉を回復してあげたいと思います。私は、
吉良さんごめんなさい。日本人を代表して心からお詫び申し上げます。
でも赤穂事件を題材にしたドラマ、あれだけ映画やドラマになったけど、
このところやらなくなってます。
大河ドラマは今年で58作品、(60年近くやってるんだ。スゲー)
第38作の「元禄繚乱」を最後に赤穂事件のドラマはありません。
第2作「赤穂浪士」
第13作「元禄太平記」
第20作「峠の群像」
と、経て、吉良さんがどんどん「いい人」に描かれていくの、
気づいてましたか?
気づくわけないか。
史実がだんだんわかってきて、もう、遠慮して
この題材でドラマ作れなくなってきてるのかなと、思います。
だから、
水戸黄門も諸国を漫遊なんかしてませんし、
徳川吉宗も、お忍びで犯罪捜査なんかしてません。
こんなのが史実になってしまうと困ります。笑
次は聖徳太子の秘密を書きたいんですが、誰か興味ありますか?